千葉工場
製造一部 エチレン製造二課4EP係
石橋 拓人 Takuto Ishibashi
2021年入社 / 工学研究科 生命・応用化学専攻修了
経歴
学生時代に専攻してきた化学工学の知識を活かしてスケールの大きな装置を扱いたいという想いで就職活動を開始しました。大学同期ではエンジニアリング会社に注目している方もいましたが、私はプラント稼働後のプロセス改善などに関わり、大きな装置を動かす立場になりたかったので、石油化学系の会社を中心に企業研究を進めました。
そんななか、研究室の教授と話をしていくうちに魅力を感じたのがエチレン装置であり、出会ったのが丸善石油化学でした。ひとつの工場内に国内最大級のエチレン製造装置を2基有していることの壮大さに惹かれました。また、装置内には大型の分解炉が備わっており、分離に限らずさまざまな製造プロセスがあると知りました。それだけ職務の幅が広く、チャレンジの幅が広く、自身を成長させていける土壌があると期待して入社を決意しました。
私が所属するエチレン製造二課のミッションは、当社の丸善石油化学が有する第4エチレン製造装置を対象に、お客様への商品供給を滞らせないよう装置を安定稼働させることです。そのうえで、より効率的な装置運転を実現するため、様々な改造検討に取り組んでいます。私自身は課内の技術検討チームの一員として、不具合発生時の対応や、省エネ・省コスト運転に向けた改善検討などに従事しています。特に不具合は突発的に発生するので、想定外の事態でも動じることなく冷静・的確な対処が求められます。業界の川上に位置する当社の製品は、ユーザーにとっての原料にあたるため、不具合によって供給がストップしてしまうことは許されず、加えて、近隣コンビナートに原料を送っているため、迅速に原因を究明して復旧する必要がある点でも大変さには緊張感を感じますね。
一方で、やりがいも十二分に感じています。過去に省エネ運転化対策を検討して実現させたことがありますが、ちょっとした改善策でも装置の規模が大きいため、ひとつの改善であっても、結果として大きな効果が得られます。自身の働きによる成果が、目に見える形で確認できるのはやりがいになります。
入社2年目に、会社として過去に実施したことがない新たな運転法を模索することになり、主担当を任されました。当時の運転環境は過去に例がない状況であり、その中で装置から生み出される副製品の品質が、従前の運転法に比べて大きく変わっていることが判明したのです。早急に副製品を元の品質へ戻せるように、原因究明と問題解消が求められる事態になりました。そうはいっても、会社として初の試みなので、参考にできる記録がありません。考えられる限りの方法で解明を試みましたが、私自身の経験が浅かったこともあり、原因には見当もつけられませんでした。そこでアドバイスを求めたのが、課内のベテラン社員や現場の運転員の方々です。問題が発生していると疑われる箇所についてディスカッションを求め、協力を得ながらテスト運転と品質チェックを繰り返すことで、何とか原因を特定することができました。そこから運転方法を調整していき、出来る範囲での最短で品質を復旧させることができたのです。
主担当である以上、己の力でなんとか問題を解決しなければならないと奔走していましたが、この経験を通じて、助けを求めれば誰もが手を差し伸べてくれること、周囲を巻き込むことによって生み出される力の大きさを知り、折につけてさまざまな関係者に教えを請うよう心掛けるようになりました。
担当職務は学生時代に求めていた通りですし、自社のエチレン装置に対する愛着は日々深まっています。今後キャリアを重ねていくうえでも、エチレン装置に関わり続けたいと思っています。まず、今後数年間の目標としては、現在取り組んでいる省エネ検討を完遂させたいですね。カーボンニュートラルは、今や世界規模で人類が突き付けられている喫緊の課題ですから。未着手の案も含めて複数のアイデアを抱えているので、すべて実現させて社会や会社への貢献につなげたいと思っています。また、長期的な目標としては、丸善石油化学のエチレン装置を、総合的なCO2排出量の少なさやエネルギー消費量の少なさなどの側面からも「日本一」にしたいと思っています。
実現のためには、誰よりも装置に精通する必要がありますから、「エチレン装置のことなら石橋に聞け」と言われるくらいの存在になりたいですね。
前日の退社後から朝までの運転状況確認、メールチェック
現場から上がってきた微小な問題に対応
装置の運転に関して関係者と打ち合わせ
自席でランチタイム
情報収集や整理、社内協議など
社内外関係者と打ち合わせ
千葉県や首都圏に知り合いがいなかったので、入社直後から同期の存在に助けられてきました。同期は13名いますが、みんな仲が良く2~3ヶ月に一度は集まっています。休日にバーベキューに出かけたり泊まりがけでコテージに行ったりと、一緒にレジャーを楽しむこともありますよ。顔を合わせた際は、ほとんど仕事の話をしないのが面白いですね。
ここにある使命と誇りの結晶が、世界をもっと豊かにする。