研究開発センター 新商品開発室
樋口 元樹 Motoki Higuchi
2020年入社 / 理学研究科 高分子科学専攻修了
経歴
大学院では高分子科学専攻していました。博士課程まで修了したこともあり、企業においても専門を生かせる研究職を希望していました。そんな私に、研究室の教授が勧めてくださったのが丸善石油化学です。
選考を受ける中で特に印象深かったのが、研究職の社員との技術面接です。事前に提出した研究概要について細かく尋ねられましたが、これはしっかり読み込みんでくださった証左であり、私を理解しようと真剣に向き合ってくれていると強く感じました。一方的に評価されている印象だった他社の面接と違って充実した議論を交わせた満足感があり、楽しいと思えた面接でした。
面接を受けるたびに志望度があがっていったので、内定をいただいた際の返事に一切の迷いはありませんでした。
所属している新商品開発室のミッションは、基礎化学品・フォトレジスト用ポリマーに次ぐ第三の柱となるような新事業の創出です。部署内は、既存事業の枠を超えた新たなテーマを考案するチームと、見出したテーマを事業化に向けて推進するチームに分かれていますが、私は前者を担当しています。マーケティングや技術調査が主な業務で、各種論文の閲覧やインターネットでの情報収集をはじめ、学会や展示会への参加、大学やベンチャー企業との情報交換などに従事しています。
トレンドや自社の強み、参入障壁のレベル、需要予測など広範な観点から実現可能性に照らすため、100あるアイデアのうち90は悔しくも消えていきます 。残る10にしても、より深く検証を進めるなかでさらに削られていくのです。「正しく努力を重ねればいつかは結果が出る」という楽観さやポジティブな姿勢が欠かせない仕事ですね。それでも、誰も気づいていない着眼点を得たときのワクワク感は、何にも代えがたいやりがいですね。
配属後、最初に任されたテーマで思うような結果を得られず、悶々とした日々を過ごしたことがあります。そもそもテーマ設定に無理があると思って諦めかけたとき、上司から「うまくいかなくてもいいから、良い失敗をしなさい」と声をかけられました。これで気が楽になり、失敗覚悟で考えうるあらゆる実験に取り組んでみたところ、小さいながらも成果を上げられたのです。
振り返ってみると、私は学生のころから頭のなかで考えるだけで終止してしまうことが少なくありませんでした。実際にアクションを起こせば、たとえ失敗しても経験として残り、後々その経験に助けられる――だからこそ、特に若手のうちは成否を問わず多くの挑戦をすべきなのだとだと気付かされました。 以降は「ダメだと思っても手を動かしてみる」を心がけるようにしています。失敗を恐れずに挑戦し、その経験を糧にしていく。これは丸善石油化学全体で感じられる文化ですね。
現役でいる間に、自らが提案したアイデアを事業化させることが目標です。世に大きなインパクトを与える製品の生みの親になって社会貢献につなげたいですね。実現のためには、社内外を問わず多くの人に興味を抱いてもらい、さまざまな形で助力を得る必要があると思っています。そのためには自身の発信力や説得力を高めると同時に、「樋口が言うなら」と信頼していただけるような人間関係構築に勤しむ必要もあります。時間はかかるでしょうが、地道に努力し続ける所存です。
一方で、日夜研究に没頭しているわけではありません。1ヶ月間取得した育児休業期間中は完全に仕事から離れて子どもの成長を見守ることができましたし、現在もフレックスタイム制度を利用して早めに帰宅し、家族と一緒に過ごす時間を大切にしています。仕事と家庭を両立させ、理想的な働き方ができていると感じています。
メール確認後、新聞やwebメディアで業界のニュースをチェック
大学教授と打ち合わせ
研究所の有志でアイデアを出し合う
隣接するコスモ石油の食堂を愛用
担当職務の進捗状況を共有し、上司や同僚からアドバイスを受ける
論文を読み込むなどで、適宜資料にまとめる
息子と一緒に近所の遊歩道で散歩する時間が、かけがえのない至福のひとときになっています。現在はフレックスタイムや在宅勤務など柔軟な働き方を実践させてもらっています。我が子の成長をしっかり見守ることができる点でも、この会社を選んで良かったと実感します。
ここにある使命と誇りの結晶が、世界をもっと豊かにする。