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事業について

くらしを支える、
未来をつくる。

高い技術力と研究開発力が支える
2つの事業

丸善石油化学の事業は、基礎化学品とその副生品から生産される機能化学品を2本の柱に展開しています。
エチレンに代表される基礎化学品は、粗製ガソリンとも呼ばれるナフサを熱分解して製造され、プラスチックや化学繊維、合成洗剤など幅広い製品の原料として、現代社会の産業とくらしを支えるうえで欠かせないものです。ここに、競争力のある価格で原料を安定供給し続ける丸善石油化学の存在意義があるのです。
また、自社製エチレンを原料にした合成樹脂製品や、エチレンの製造過程で分留‧抽出する副生物を有効活用した機能化学品の開発と販売も積極的に推進しています。さらに、環境への負荷が少なくコストも抑えられた、世界に通じる高い付加価値をそなえた多様な高機能新素材を事業展開しています。このように、ナフサを最後まで無駄なく製品化しながら、素材としての石油化学製品の総合的な開発に取り組んでいます。

高い技術力と研究開発力が支える2つの事業
基礎化学品事業
くらしを支える / 現代のあたりまえを守る

基礎化学品事業

原油を精製して得られる「ナフサ」からエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼンといった石油化学品を製造し、広く販売しています。これらは自動車用部材、塗料、日用品、医療品などあらゆる分野で利用される原料のため、現代のくらしを支える基礎的な石油化学品として、『基礎化学品』と呼ばれています。
中でも主力製品となるエチレンの生産量は、当社の所有するプラントで年間約48万t。合弁会社分も含めると年間117万tになり、単一工場では日本最大級の生産量を誇ります。

ナフサ分解から出発し、あらゆる産業の基礎となる各種化学品原料を製造‧販売しています。
国内有数のオレフィン生産能力を有し、コンビナート内はもとより、全国、海外にも、「競争力」のある高品質の製品を安定供給しています。

未来をつくる / 未来のあたりまえを創造する

機能化学品事業

様々な分野で利用される基礎化学品に対し、特定の分野で高い性質を発揮するものを『機能化学品』と呼びます。
例えば、スマートフォンの心臓部である半導体の製造に使われるフォトレジスト用樹脂原料は、非常に専門的な分野でありながら今後も需要拡大が期待される製品です。新しい性質の機能化学品を開発することで、その分野の技術革新につながる可能性もあり、まさに未来の発展に貢献している事業と言えます。

基礎化学品の生産過程で産出される留分をベースに、溶剤、樹脂等の⾼機能品を製造‧販売しています。

特にメチルエチルケトンは世界トップクラスの生産能力を誇っています。また、当社独自の研究技術で新たに開発した製品も順次上市しており、半導体レジスト用樹脂では世界トップクラスのシェアを誇っています。

機能化学品事業

環境/安全

CSR活動実績

安全管理

当社では「安全ナンバーワン企業を目指す」を経営方針の1つとしており、「安全は、経営の第一原則であり、企業の使命である」と考えています。
また行動基準(CC10)の中でも、いかなる事故、災害の危険をも予知し、その防止に努めることで「無事故・無災害を継続」することを誓っています。

当社の安全に係るすべての活動を「安全ナンバーワン活動」とし、千葉工場、四日市工場をはじめ、全社で安全管理の一体的な推進を図っています。

環境管理

環境管理委員会では、環境法令の遵守をはじめ環境保全、地球温暖化対策、化学品・製品安全等の取り組みとそれに係る管理体制のレベル向上を図っています。各工場では環境マネジメントシステムISOの認証を取得し、マネジメントマニュアルに従い年間計画に基づく積極的な活動と継続的な改善を行っています。
開発、製造、物流、使用、最終消費、廃棄に至る製品の全ライフサイクルにわたり、環境影響を可能な限り低減するための努力を重ね、持続可能な社会実現へ向けたチャレンジを続けています。

品質保証

当社は、品質保証、品質管理のマネジメントを推進するための機関として、2018年4月に従来の「品質管理委員会」を改組し、「品質保証委員会」を設置するとともに、「品質保証部」を新設しました。2018年は品質不適切行為の再発防止策の実行を重点施策とし、品質保証システムの構築、品質に関する教育の実施、品質監査の仕組み作りと実行、品質管理体制の維持向上などに取り組みました。

また、機能性樹脂事業を展開する部門では2013年から取り組んでいる品質小集団活動が高く評価され、日本品質奨励賞品質革新賞を受賞しました。

コンプライアンス

就業する従業員等の法的安全を守るとともに社会的責任を果たす体制を確立するため、コンプライアンスマネジメントシステムを構築しています。

当社ではコンプライアンスの定義を「社会的要請への適応」とし、①法令遵守、②社内規則遵守、③私たちの行動基準CC10の遵守と定めており、委員会ではCC10の誓いの中から、倫理、人権、労働衛生、社会との対話の各分野も審議の対象としています。

働きがいのある職場づくり

コンプライアンス委員会では、個人の個性、価値観の違いといった多様性を尊重し、差別やハラスメントのない職場、明るく健康的な労働環境を目指して、「人権」・「労働衛生」の分野を対象に重点施策を設定しています。

その他、当社では、委員会の重点施策のほかにも、ワーク・ライフバランス、次世代育成などの観点から雇用や労働条件の整備、人材育成といった「働きがいのある職場づくり」に取り組んでいます。

リスクマネジメント

当社では、経営に重要な影響を及ぼすリスクを特定し、これらがもたらす影響に応じた対策をとることで、損失の回避、最小化を図ることを目的として、リスクマネジメント活動を行っています。

リスクマネジメント委員会では、事業活動を通じて発生するリスクについて、グループ全体への影響度や発⽣可能性等を総合的に判断して、リスク低減に向けた対策や進捗状況を審議しています。

社会との対話

当社が掲げる企業使命のもと、豊かな社会づくりへの思いから「良き企業市民」の姿勢をより明確にし、地域の発展に貢献しうるさまざまな活動に取り組んでいます。

近年の歩みと将来について

第3エチレン製造装置(3EP)
大型分解炉建設

分解炉は、エチレンプラント最上流の基幹設備で、その心臓部ともいえます。
現在、当社(3EP)ではこの分解炉を18炉保有していますが、大半を占める14炉は生産能力が年2万5000トンと小型で、建設から約50年が経過しています。
このため、老朽化による安全性や、保全工事の増加・長期化に伴う生産能力の問題が懸念されてきました。これら諸問題を未然に防ぐため、2020年に大型分解炉2炉をより効率の高い新型炉へと更新しました。中長期的には同炉をさらに2炉新設し、旧型の分解炉は一部廃炉にしていく予定です。

より生産効率の高い分解炉への切り替えが進めば、運転管理の強化とともに製品のさらなる安定供給に繋がるだけでなく、使⽤燃料の削減に伴うCO2排出量や環境負荷の低減なども実現できます。分解炉の大型化および機能維持は、当社の基盤を支える重要な施策です。

第3エチレン製造装置(3EP) 大型分解炉建設
第2ビニルエーテル(2ADV※)
製造装置の新設

当社はこれまで自社技術による誘導品の創出に取り組んできました。その中でエチレン製造装置から抽出されるアセチレンの有効活用策として1998年に生産を開始したビニルエーテル類は、これを使用することで低粘度、低毒性、低刺激性など、様々な機能を付加することができる高機能製品の⼀つです。

当社のビニルエーテル類の用途は大きく3種類。紫外線硬化型インキ、高耐候性フッ素樹脂塗料およびコンクリート混和剤の各種製品向け原料としての用途で、これらの製品は、VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)規制の厳格化等に伴う環境対応や、社会インフラ整備の活発化とその耐久性向上といった社会的な要請を受け、国内外における需要が拡大しています。既存のビニルエーテル製造装置の4倍の生産能力(3,000トン/年)を有する2ADV装置を2020年に新設しました。2ADV装置の完成により、お客様が求める機能を実現するための製品改良と増産対応の両面で、世界的に⾼まる需要に対応していきます。※:Acetylene Derivatives Vinylether

第2ビニルエーテル(2ADV)※ 製造装置の新設
プロピレン精留設備新設

当社の第3エチレン製造装置で製造されるケミカルグレードのプロピレンは、ポリマーグレードに比べ純度が低いため、用途やユーザーが限定されていました。一方、隣接するコスモ石油においても、FCC(Fluid Catalytic Cracking:流動接触分解)装置から副生されるC3留分の活用が課題となっていました。そこで両社は、双方の留分をポリマーグレードに高純度化する精留設備を建設することに合意し、共同事業としてスタートさせました。

ポリマーグレードプロピレンは、ポリプロピレンの原料として、その用途は包装材や繊維、容器、自動車部品など実に広範囲で、精留設備の新設によって新たなビジネスの創出や、その活動を通じた社会への貢献が期待されています。
さらに設備完成後は、燃料やユーティリティの融通を含め「石油精製―石油化学」の連携を⼀層深めていく予定です。このプロジェクトは、コンビナートの競争力やプレゼンスを高め、地域経済の活性化にも繋げていくための鍵となる事業です。

プロピレン精留設備新設
CAP※設立への参画

荒川化学工業(株)、コスモエネルギーホールディングス(株)との共同出資により、「千葉アルコン製造(株)(CAP)」を設立し、水素化石油樹脂の生産・販売をスタートさせます。

水素化石油樹脂は、当社の未使用留分(C9留分)を活用し、荒川化学工業の製造ノウハウによって製造するもので、紙おむつ等の衛生材に使用されるホットメルト接着剤の原料として利用されます。衛生材の多くは、インドやその他アジア諸国を中心とする人口増加や経済成長により、グローバルな需要増が見込まれており、⼈々の豊かな暮らしの実現に向けた社会的ニーズとなっています。※:Chiba Arkon Production,Limited

CAP※ 設立への参画
南岸防消火設備の再構築

石油化学コンビナートで万一災害が発生すると、その被害は甚大になるため、防消火設備の性能やその検査方法などは「石油コンビナート等災害防止法」等の保安法令で厳格に規定されています。

法規は必要に応じて改正されていますが、千葉工場南地区の防消火設備は成り立ちが古く、現行法への適合が必要な箇所も出始めています。
そこで当社では、近隣住民の皆様を含めた地域全体の安全・安心をより一層確保するべく、行政からの指導を仰ぎながら防消火設備の再構築を進めています。人々の安全で快適な暮らしと、当社の持続的成長を支えるために不可欠なプロジェクトです。

南岸防消火設備の再構築

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ここにある使命と誇りの結晶が、世界をもっと豊かにする。

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